太陽の船復活 エジプト考古学者 吉村作治の挑戦


古代エジプト人は、太陽神ラーが“船”で天空を航行し、昼と夜をもたらすと信じていました。その思想は王の来世観や国家儀礼、そしてピラミッドの建造目的とも深く結びつき、長きにわたり世界の考古学者を魅了してきました。その象徴が「太陽の船」です。
本書『太陽の船 復活 ~エジプト考古学者 吉村作治の挑戦~』は、日本を代表するエジプト考古学者・吉村作治氏が、生涯をかけて挑んだ壮大な発掘プロジェクトの記録です。学生時代、初めてギザの第一の太陽の船と出会い、「このピラミッドには必ずもう一隻ある」と直感。半世紀にわたる調査と準備の末、ついに西側に眠る“第二の太陽の船”の発掘へとたどり着きます。
現場では、蓋石を安全に外すための独自工法、船材の劣化を防ぐ空調や湿度管理、刻印や墨書の精密記録など、最新技術と職人技が融合。出土した部材からは、古代エジプト特有の「縫い合わせ」造船法や複数の樹種の使い分け、防腐処理の痕跡が明らかになりました。さらに、部材や船坑に残された標識・記号は、「神々の船」と「王の船」という二隻の存在を裏づけ、ピラミッドを単なる王墓とする従来説に再検討を迫ります。
本書は、学術的価値の高い発見を丹念に記録しつつ、数十年越しの夢を追い続ける一人の研究者の情熱も感じさせます。歴史のロマンを愛する人はもちろん、ピラミッドや古代文明に潜む未解明の謎の魅力に惹かれる人にも強く訴えかける内容です。あなたもこのページを開けば、学術と探究心が交錯する“古代エジプト最後の大発見”の現場へと旅立つことになるでしょう。